研究分担者 |
森田 裕 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20363947)
吉田 宗徳 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60273447)
小椋 祐一朗 (小椋 祐一郎) 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70191963)
松原 明久 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80336685)
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研究概要 |
肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor : HGF)はヒト臍帯静脈(human umbilical vein endothelial cells : HUVEC)由来の血管内皮細胞に対してVEGF(vascular endothelial growth factor)やbFGF(basic fibroblast growth factor)と同等の増殖促進作用を示す.HGFのアンタゴニストであるNK4はVEGFやbFGFによって引き起こされる血管新生をも阻害することが明らかになってきている. (1)HUVECと培養ヒト網膜色素上皮細胞(human retinal pigment epithelial cell : ARPE-19)に対するNK4の増殖抑制効果を評価した.方法は,まず96穴培養用プレートに各細胞を1穴あたり1×10^3個播いた.それをNK4の各濃度5,10,50,100,500nMに72時間暴露させた.その後,XTTアッセイを用いて細胞増殖抑制効果を評価した.NK4はすべての濃度でARPE-19には影響は及ばさなかったが,HUVECに対してはNK4が50nM以上のとき対比的に抑制した.したがって,NK4の細胞増殖抑制能は,血管内皮に特異的な作用であり周囲の細胞に影響を及ばさず血管新生のみを抑制する可能性が示唆された. (2)NK4の実験的脈絡膜新生血管に対する抑制効果を評価した.方法は,ラット眼を用いてレーザー光凝固により実験的脈絡膜新生血管を作成し,光凝固直後にNK4をBSSに溶解した液5μ1(10μM)を硝子体内投与した.対照としてBSSのみ5μ1を硝子体投与した.光凝固2週間目に蛍光眼底造影検査を行しい脈絡膜新生血管の形成を評価した.また,光学顕微鏡的に脈絡膜新生血管膜の厚みを測定した.結果はいずれも対照と比較して,差はみられなかった.
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