研究課題/領域番号 |
14571694
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
緒方 奈保子 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60204062)
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研究分担者 |
尾辻 剛 関西医科大学, 医学部, 助手 (90343673)
和田 光正 関西医科大学, 医学部, 助手 (40333215)
松原 弘明 関西医科大学, 医学部, 助教授 (10239072)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 血管新生 / 血管内皮細胞増殖因子(VEGF) / Pigment epithelium-derived factor / 糖尿病網膜症 / 脈絡膜新生血管 / 増殖性硝子体網膜症 / 加齢 / 網膜視神経変性 / 血管内皮細胞増殖因子(VFGF) / 裂孔原性網膜剥離 |
研究概要 |
眼内血管新生には血管新生因子の血管内皮増殖因子(VEGF)と血管新生阻害作用をもつpigment epithelium-derived factor(PEDF)のバランスが大きく作用するとされる。 硝子体内のVEGFおよびPEDF濃度を測定した結果、糖尿病網膜症ではPEDFが低下し、VEGFが増加しており、血管新生因子と血管新生抑制因子とのバランスの崩れがあることがわかった。また、増殖性硝子体網膜症では裂孔原性網膜剥離に比べ、VEGFは高く、PEDFが低く、PEDFは血管新生抑制作用だけでなく眼内細胞増殖抑制に作用していることが示唆された。 さらに、実験的脈絡膜新生血管モデルにおいて、新生血管発生の早期には、血管内皮細胞にVEGF、PEDFともに強く発現していたが、その後VEGFの発現は弱まり、網膜色素上皮にPEDFが強く発現し、脈絡膜新生血管の発生にPEDFおよびVEGFが強く関与していることが分かった。 ヒト脈絡膜新生血管組織およびpolypoidal choroidal vasculopathyの組織では、新生血管の活動性の高い組織は、PEDFおよびVEGFともに発現が高く、活動性の低い組織ではPEDFおよびVEGFともに発現が弱まっていた。活動性の高い組織では、新生血管促進因子のVEGFに拮抗するように阻害因子のPEDFの作用も強く、新生血管の活動抑制に働いていると考えられた。 また、前房水中のPEDF濃度を測定した結果、加齢とともに前房水中のPEDF濃度は低下することがわかった。加齢とともに低下する眼内PEDFは加齢黄斑変性の発生に関与していると考えられた。さらに、網膜色素変性症、進行した緑内障など視神経網膜萎縮疾患の前房水中のPEDF濃度は低下していた。PEDFは神経保護因子でもあり、視神経網膜萎縮疾患では眼内PEDF濃度が低下していることがわかった。
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