研究分担者 |
三好 和 久留米大学, 医学部, 助手 (70268928)
門田 遊 久留米大学, 医学部, 講師 (00258477)
吉村 浩一 久留米大学, 医学部, 助教授 (30240352)
熊野 けい子 久留米大学, 医学部, 助手 (60352168)
高島 保之 久留米大学, 医学部, 講師 (00330845)
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研究概要 |
落屑症候群の定義は、瞳孔縁に明らかな落屑物質を認めるか、または散瞳にて水晶体前面に落屑物質を認めるものとした。 1.福岡県筑後地方での落屑症候群の統計 調査期間中(平成15年8月1日から9月30日の2か月間)の落屑症候群患者は、眼科外来受診者総数6万1819人のうち2046人、3.3%であった。男性では早期に発症し、加齢にともない女性も発症することを見いだした。 2.落屑症候群と組織適応性抗原HLA 平成15年7月から平成16年4月までに久留米大学病院および公立八女総合病院で落屑症候群の診断にて経過観察されていたインフォームドコンセントの得られた84例、男性54例女性30例平均年齢は74.8歳を対象とした。両眼性に認めたものが27例、片眼性のものが57例であった。末梢血リンパ球を用いてHLA抗原のタイピング(補体依存性リンパ球障害試験による)を三菱化学ビーシーエルに依頼した。対照群(1)としては、三菱化学ビーシーエルより提供された68例の正常健康成人の検査結果を、対照群(2)として日本人でのHLAの頻度を日本組織適合性学会より引用した。HLAのタイピングの検査項目は、ABCDRDQ抗原の65種であった。 落屑症候群と対照群(1)(2)間でχ2検定を行い、有意なものはHLAクラス1のうち9抗原が、クラス2では8抗原であった(A24,B7,B39,B52,B61,CW1,3,7,8,Dr1,4,6,9,15,DQ1,3,4)。 特にクラス1では、CW3が、クラス2においては、DR4、6,9、DQ1、3の6抗原が関与している可能性が高いことが示唆された。 緑内障発症の有無で比較したところ、A11のみが緑内障発症に関連が少ない傾向にあった。 3.落屑緑内障の治療(手術加療について) サイヌソトミー併用線維柱帯切開術と超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入(PEA+IOL)同時手術の有用性を見いだした。
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