研究課題/領域番号 |
14571701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
瀬尾 孝彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60262911)
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研究分担者 |
小倉 行雄 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
勝野 伸介 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
安藤 久實 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60184321)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 人工臓器 / 臓器灌流 / 生体内分離肝灌流 / 臓器温存 / 肝代謝 / インスリン / グルカゴン / 自動制御血液ポンプ / 臓器保存 / 体外循環回路 / 自動制御血液灌流装置 |
研究概要 |
平均体重9.9kgの離乳直後の幼ブタ15頭を用い、小児ECMO用自動制御血液灌流装置により流量20ml/min/kgで肝静脈-門脈間生体内分離肝灌流を4時間まで行った。回路はグルコース非含有1/2生理食塩水を15ml/hourで灌流し、灌流液中にインスリンとグルカゴンを添加し、CONT群:灌流液のみ、25RI群;灌流液500mlにレギュラーインスリン25単位含有、75RI群:灌流液500mlにインスリン75単位含有、25GL群:灌流液15mlにグルカゴン0.25mg含有、50GL群:灌流液15mlにグルカゴン0.5mg含有、の5群に分け、代謝学的変化を生化学的に検討した。また、炎症性サイトカインInterleukin-6 (IL-6)と細胞傷害因子Tumor Necrosis Factor Alpha (TNF-α)を測定し、肝灌流の時間経過による肝細胞傷害、侵襲の程度を検討した。 総蛋白とアルブミンは時間の経過と共に低下し、群間に差はなかった。中性脂肪は開始後徐々に上昇し、インスリン群では明らかに高値を示した。総コレステロールは徐々に低下し、特に群間で所見を認めなかった。グルコースは全群で開始直後に有意に上昇し、CONT群とグルカゴン群ではその後横ばいであったが、グルカゴン群でより高値を示した。一方、インスリン含有群では2時間以降、他群と比べて有意にグルコース値は減少し、特に75RI群でより著明であった。今回の研究ではインスリンはグルコースと中性脂肪に影響を及ぼし、特に肝灌流中のグルコース濃度は有意にインスリン依存性、かつ濃度依存性であった。 IL-6は全体を通じて軽度上昇し、侵襲が加わっていることが示唆されたが、その程度は軽度であると思われた。TNF-αは経過中正常範囲内であり、肝灌流中のグルコース高値はTNF-α高値によるものではないことが証明された。
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