研究課題/領域番号 |
14571714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
橋本 一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (70314870)
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研究分担者 |
中西 秀樹 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90164235)
中屋 豊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50136222)
戸田 真記 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員(臨床)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 皮膚微小循環 / 糖尿病 / 皮弁壊死 / 経皮酸素分圧 / 経皮二酸化炭素分圧 |
研究概要 |
本研究では皮膚微小循環への糖尿病の影響を観察するため、家兎糖尿病モデルに対して実験を行い対照群と比較検討を行ってきた。Rabbit Ear Chamberを用いることで糖尿病家兎と対照群の皮膚微小循環の観察を行い、家兎の背部と腹部の皮弁に対して経皮酸素・二酸化炭素分圧の測定、ドップラー血流計による血流測定により皮弁血行を比較してきた。さらに血管茎をクランプすることで皮弁に虚血再潅流障害を与えることで皮膚微小循環障害を観察した。 背部に作成した皮弁の実験では糖尿病家兎と対照群の家兎における皮弁生着面積の比較では有意な差が見られなかったが、この理由として血糖値の問題、糖尿病罹患期間の問題、皮弁面積の問題が考えられた。さらにセロトニンレセプター拮抗剤はRabbit Ear Chamber内の皮膚微小循環内で血小板凝集抑制作用により血栓形成抑制効果を示したため、今回の実験では家兎背部に作成した皮弁壊死モデルに対してセロトニンレセプター拮抗剤の作用を検討した。その結果、家兎背部に作製したrandom pattern flapに塩酸サルポグレラートを投与してdistal necrosisが抑制されることが観察された。また皮弁の一部から作製した組織検査では塩酸サルポグレラートを投与した皮弁深部の血管開存がみられ、壊死範囲の救済に本薬剤が血栓形成を抑制する機序で関与していることが考えられた。次に白血球エラスターゼ阻害剤の皮弁救済効果を組織学的に検討した。家兎背部に作成した皮弁に虚血再潅流障害を与えた後では白血球エラスターゼ阻害剤を投与した群でほその壊死範囲に縮小効果が見られた。その組織を検討した結果、細胞浸潤を見てみると薬剤非投与群では皮膚、皮下ともに著明であったのに比べて、薬剤投与群では皮膚においてはほとんど観察されなかった。この細胞浸潤の範囲と壊死反応の範囲が一致することから、白血球エラスターゼ阻害剤は皮膚での白血球遊離自体は抑制しないが、エラスターゼ遊離などの直接の組織障害過程は抑制するものと考えられた。またこれが皮弁延長効果を示す根拠となっているとも考えられた。
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