研究課題/領域番号 |
14571769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
稲永 清敏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90131903)
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研究分担者 |
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (40316154)
本田 栄子 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (00047812)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 唾液分泌 / 耳下腺 / 渇き / 浸透圧受容 / ナトリウム受容 / 脳室周囲器官 / アセチルコリン / ラット |
研究概要 |
近年、口腔乾燥症を訴える人が多くなってきた。その原因としては、高齢者の増加あるいは、食生活の変化、ストレスの増加などが考えられるが、そのメカニズムについては不明な点が多い。唾液は、血液から作られ、体液浸透圧・体液量および自律神経活動等の影響を受けやすい。本研究は、体液量制御あるいは循環系調節の高次中枢であると考えられる脳弓下器官がどのように唾液分泌に関連しているかを検索するために計画された。 研究には、ラットを用い、インビボおよびインビトロ実験を行った。インビボ実験では、脳室内に高張食塩水あるいはショ糖溶液を注入し、それによって誘発される飲水行動や耳下腺唾液分泌の低下を観察した。飲水行動誘発や唾液分泌低下の大きさは、高張食塩水刺激のほうがこれと等張のショ糖溶液より大きいということを報告した。脳内に浸透圧受容器が存在することは周知の事実であったが、われわれの結果は唾液分泌まで、中枢にある浸透圧受容器の影響を受けることを明らかにした。さらに、高張食塩水刺激のほうが効果が大きいことから、飲水行動ばかりでなく唾液分泌抑制にもナトリウム受容の影響があることを明らかにした。 インビボ実験により、脳室周囲器官のひとつである脳弓下器官に選択的に細胞外ナトリウム濃度に反応するナトリウム受容器が存在し、あるナトリウム濃度以上でニューロンが活性化することを明らかにした。また、本事業により、脳弓下器官には、ムスカリン様およびニコチン様アセチルコリン受容体が存在し、体液調節に寄与していることを示唆するデータを得た。これらの受容体刺激による脳弓下器官の活性化が唾液分泌とどのように結びついているかについては、現在検討中である。
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