研究概要 |
耳下腺腺房細胞の開口分泌へのSNAREタンパク質の関与を明らかにする目的で、分泌顆粒膜および尖端膜に存在する各種タンパク質を調べた。これまでに我々が発現を確認したタンパク質は以下のようなものがある。 ●シンタキシン2,シンタキシン3,シンタキシン4,SNAP-23 ●Munc18-2,Munc18-3 ●VAMP-2、VAMP-3,VAMP-8 ●Rab3D,Rab8,Rab26,Rab27 ●Rab effectors{Slac2-c,Slp4-a(guranuphilin),Noc2,Rim2} ●シナプトタグミン3 さらに腺房細胞内でのこれらタンパク質の相互作用を調べた。 ●免疫沈降を行った結果、シンタキシン4/Munc18-3,シンタキシン3/VAMP-8,シンタキシン/SNAP-23,シンタキシン2/Slp4-a,シンタキシン3/Munc18-2,Rab8/Slp4-a,Rab8/Slac2-c,Rab27/Slp4-aおよびRab27/Slac2-cとの結合が認められた。 また、ストレプトリジン0で穴あき耳下腺腺房細胞を作成し、リコンビナントタンパク質を導入することによりイソプロテレノール(IPR)刺激によるアミラーゼ分泌に係わりを持つのかを検討した。 ●Rab27に結合するSlp homology domain(SHD)およびアクチン結合domain(ABD)のGST融合タンパク質を導入した結果、アミラーゼ分泌を阻害した。 ●Slp4-a-linkerタンパク質によっても同様の分泌阻害が見られた。 以上の結果から、耳下腺腺房細胞の開口分泌には分泌顆粒膜上のRab27とSlac2-c、アクチン層への分泌顆粒のtethering、および尖端膜上のt-SNAREとなるシンタキシンが重要であることが確認された。
|