研究課題/領域番号 |
14571800
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
澤木 康平 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50178828)
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研究分担者 |
大久保 みぎわ 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40301519)
川口 充 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20096473)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 唾液分泌 / 唾液腺 / イノシトールリン脂質代謝系 / 細胞内情報伝達系 / ジアゼパム / ホスホリパーゼC / GTP結合蛋白質 / イノシトールリン脂質代謝 / 向精神薬 / 耳下腺腺房細胞 / クロライドイオン / ベンゾジアゼピン受容体 / 細胞内カルシウム / ムルカリン受容体 / アドレナリン受容体 |
研究概要 |
唾液分泌は唾液腺細胞内のイノシトールリン脂質(PI)代謝系を介して促進される。ベンゾジアゼピン系(BDZ)薬物は副作用として唾液分泌を抑制する。この研究では、BDZ系薬物による唾液分泌抑制機序を明らかにするために、唾液腺細胞内のPI代謝系に対するBDZ系薬物の影響を調べた。その結果以下の事が明らかとなった。1.ジアゼパム(DZP)はムスカリン受容体刺激によるラット耳下腺細胞内イノシトール1,4,5-三リン酸(IP_3)産生を抑制した。2.DZPはムスカリン受容体、α_1-アドレナリン受容体刺激による耳下腺細胞内カルシウム([Ca^<2+>]_i)の増加を減少させた。この[Ca^<2+>]_i減少は、細胞外液にCa^<2+>(1.27mM)が存在、非存在下のいずれにおいてもみられた。減少率はIP_3産生の減少率(約35%)とほぼ同じであった。Thapsigargin刺激による[Ca^<2+>]_iの増加はDZPによって減少しなかった。3.DZPの急性投与量(5mg/kg,i.p.)ではラット耳下腺、顎下腺・大脳皮質のいずれにおいてもGTP結合蛋白質(Gqタイプ)、ホスホリパーゼC(β_3タイプ:PLC-β_3)量に顕著な変化はみられなかった。4.DZP(0.8mg/kg/day,i.p.)の10日間連続投与により耳下腺、顎下腺、大脳皮質のPLC-β_3量が顕著に減少した。Gq量には顕著な変化はみられなかった。 今回の結果からBDZ系薬物が唾液腺細胞内のPI代謝系に影響を及ぼすことが明らかとなった。DZPは唾液腺細胞内のムスカリン、α_1-アドレナリン受容体刺激によるIP_3産生を抑制し、IP_3と連関した[Ca^<2+>]_iの増加を抑制する。さらにIP_3産生酵素量を減少させる。この細胞内のIP_3産生と[Ca^<2+>]_iの減少がBDZ系薬物による唾液分泌抑制と密接に関連していることが認められた。
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