研究課題/領域番号 |
14571812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 美加子 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40271027)
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研究分担者 |
木ノ本 喜史 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10252694)
今里 聡 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80243244)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 垂直性歯根破折 / 根管処置歯 / 接着再建・再植法 / 接着性レジンセメント / 破壊抵抗性 / ファイバーポスト / 鋳造メタルポストコア / 根管製造剤 / 根管清掃剤 / 根管象牙質 / 再植法 / 推定生存率 / Kaplan-Meier法 / 根面処理 / EDTA / スメア層 |
研究概要 |
本研究は、垂直性歯根破折歯の接着再建・再植法を予知性の高い治療法として確立するために、支台築造方法と根管象牙質の接着の観点から、最も耐久性の高い接着再建方法を確立することを目的に遂行した。 まず、支台築造方法の違いによる根管処置歯の破壊抵抗性の評価では、ヒト抜去小臼歯を、1)ファイバーポストとレジンコア、2)既製メタルポストとレジンコア、3)鋳造メタルポストコア、のいずれかで支台築造して圧縮試験に供し、破壊抵抗性を評価した。なお、コントロールは全部鋳造冠の形成を行った天然歯とした。その結果、鋳造メタルポストコアによる築造が最も破壊抵抗性が高く、既製メタルポストとレジンコアによる築造は最も破壊抵抗性が低いことがわかった。また、ファィバーポストとレジンコアは歯冠形成歯と同等の破壊抵抗性を示した。さらに、鋳造メタルポストコアと既製メタルポストで築造した根管処置歯が根尖まで破折した一方、ファイバーポストにて築造した場合、根尖に破壊が及ばないことが明らかとなった。 次に、根管清掃剤がレジンセメントと根管象牙質の接着に及ぼす影響を評価した結果、象牙質接着システムによって、根管清掃剤がレジンセメントの根管象牙質の接着に及ぼす影響が異なることが明らかとなった。すなわち、セルフエッチングシステムを用いた場合には、EDTAによる過脱灰のために接着強さが低下していた。一方、ウエットボンディングを用いた場合には、レジンタグの形成が接着強さに影響を及ぼすことがわかった。 以上のように、本研究では、垂直性歯根破折歯に対する接着再建・再植法の安定した予後のために、耐久性にすぐれる支台築造方法を検討した結果、支台築造材料と接着システムを適切に選択することによって、支台築造により根管処置歯が十分に補強されることが明らかとなった。今回検討した支台築造方法と接着システムに関して、疲労耐久性試験を行って支台築造歯の強度を総合的に評価することは重要であると考えられる。さらに、強度試験から得られる破折試料の破面を口腔から得られる破折歯の破面とを詳細に観察・比較することで、根管処置歯の歯根破折メカニズムの分析につながると期待される。
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