研究概要 |
本研究は,漂白剤がエナメル質に及ぼす影響を形態学的および構造結晶学的に検討することを目的とした。オフィスブリーチは過酸化水素を用いる酸性条件下の漂白剤であるHi-LiteとPowergel,アルカリ性条件下のQuasar Britelを用いた。これらの漂白剤の使用条件は不明な点が多いので,まず最も効果的な使用条件を検討するべく漂白効果への影響因子を検討したところ,光強度,照射時間,漂白剤の吸光度特性が影響することが判明した。漂白剤はそれぞれ最適条件で実験に供した。ホームブリーチは,過酸化尿素用いるNite White Excelを一日2時間を2回とし7日間漂白を行った。エナメルマイクロアブレージョンはPremaを2分間作用させこれを2回行った。被験エナメル質はヒト抜去健全エナメル質とし,漂白剤の影響を微少部X線回折および走査型電子顕微鏡により評価した。 オフィスブリーチ,ホームブリーチおよびエナメルマイクロアブレージョンいずれの漂白処置も,エナメル質の形態学的および構造結晶学的性質に影響をほとんど及ぼさないことが確認された。
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