研究概要 |
各種NTファイルを用いてヒト抜去歯に根管形成を行い、根管形成後の根管象牙質表面をSEMと略す)を用いて観察した.その結果,〔SLについて〕1,根尖側根管においてEndo-Wave(EW)は約50μm幅の鱗状のSLがみられたが、他のファイルでは鱗状のSLはほとんどみられなかった。2,中央部根管においてEndo-WaveとK3が似たSL形態であった。3,歯冠側根管においてはEndo-WaveとPro-File(PF)、Quantec(Q)とK3が似た形態であった。次に、人工根管に拡大形成を行い、ステップ毎の形成量を測定し、その偏位について比較検討を行った。その結果,《根管の偏位について》直線根管において、4種類のすべての根管の偏位はみられなかった。湾曲根管において、EW、K3、Qにledgeが形成された。《拡大面積について》4方向の合計平均面積はPF、K3、Qc、EWの順で大きかった。《ステップ毎の拡大率》〔EW〕直線根管では両方向ともNo.1からNo.5まで徐々に拡大して、No.2,3で約50%拡大することがわかった。湾曲根管の90度方向ではNo.3の切削量が約36%であり、コントラ方向では直線根管同様、No.2,3で約50%拡大することがわかった。〔K3〕直線根管では両方向ともNo.1,3で約70%拡大することがわかった。湾曲根管においてもNo.1,3で約65%拡大することがわかった.〔PF〕直線根管では両方向ともNo.1,3で約80%拡大することがわかった。湾曲根管においてもNo.1,3で約75%拡大することがわかった。〔Q〕直線根管の場合、両方向とも9本のファイルのうち極端に切削率が大きいファイルはないが、No.1,3,7が16%前後である。湾曲根管の90度方向ではNo.7が24%であった。コントラ方向ではNo.1の20%、No.7の29%が特に拡大量が大きかった。
|