研究分担者 |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50226768)
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00225195)
矢谷 博文 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80174530)
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研究概要 |
1.ヒト抜去歯からの歯髄細胞の単離とその表現系の確認 本学倫理委員会の許可のもと,ヒト抜去歯から歯髄細胞を単離し,その遺伝子発現をRT-PCR法で確認した。その結果,本細胞は象牙芽細胞特異的とされるdentinsialophosphoprotein(DSPP)を発現しており,象牙芽細胞,もしくは前象牙芽細胞からなる細胞群であると思われた。 2.本細胞の細胞接着,増殖,分化に与える各種成長因子の効果の検討 既存の因子の中で修復象牙質形成に関与していると思われるβ型形質転換増殖因子(TGF-β1),塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)と結合組織成長因子(CTGF)の細胞接着,増殖,分化に与える各種成長因子の効果を検討した。その結果,細胞接着はこれらの因子を培養プレートに吸着することにより促進された。また,細胞増殖はTGF-β1を培地に添加したときのみ有意に促進された。一方,アルカリフォスファターゼ活性は,bFGF, TGF-β1の添加により有意に抑制されたが,CTGF添加では,その影響は明らかでなかった。 3.ハイドロキシアパタイト(HAP)への細胞接着の検討 HAPに対する本細胞の3時間後の接着細胞数を検討したところ,ポリスチレン製の培養プレートに比較して,HAP上には有意に多くの細胞が接着していることが明らかとなった。 4.HAPが本細胞の分化に与える影響の検討 本細胞の遺伝子発現がHAP上で培養することにより影響を受けるかを検討したところ,DSPP,ならびにI型collagenの遺伝子発現が有意に促進しており,分化が誘導されていることが推測された。
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