研究課題/領域番号 |
14571856
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
遠藤 一彦 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (70168821)
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研究分担者 |
大野 弘機 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70018430)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 金銀パラジウム合金 / 耐食性 / 変色 / 金属アレルギー / 貴金属合金 / パラジウム / 銀合金 / 耐変色性 / X線回析 / 腐食速度 / アノード / Ag-In-Au合金 / 交流インピーダンス法 / 原子吸光法 / X線光電子分光法 / 歯科鋳造用Ag合金 / 分極曲線 |
研究概要 |
本研究では、現在使用されている金銀パラジウム合金(Ag-20Pd-(10-20)Cu-12Au合金)と同等以上の耐食性を有し、かつ希少金属元素であるPd含有量を出来る限り低減化した新しい歯科鋳造用金銀パラジウム合金を開発することを目的とした。そこで、(1)PdとCu含有量を低減化し、Au含有量を増加した25種類の実験合金、(2)Cuの代わりにInを20%配合し、Auを1〜12%配合したPdを含まない実験合金5種類を作製し、それらの耐食性を0.1%Na_2S溶液ならびに0.9%NaCl溶液中にて電気化学的手法を用いた腐食計測や原子吸光法を用いた溶出金属イオンの分析を行うことによって評価した。 Ag-Pd-Cu-Au系合金では、Pd含有量を10mass%とすると、Au含有量を40mass%以上としなければ、市販の金銀パラジウム合金と同等の耐食性を示さなかった。したがって、本合金系では少なくとも15mass%以上のPdを配合する必要があり、Ag-15Pd-15Au-(10-20)Cu合金が高い耐食性と時効硬化性を有する金銀パラジウム合金の成分・組成として推奨できることが明らかとなった。 Ag-In-Au系合金では、Auを微量(1〜3mass%)添加するとAg-20In合金の0.1%Na_2S溶液および0.9%NaCl溶液中における耐食性が著しく向上することが分かった。微量のAuを添加することによって、特に0.9%NaCl溶液中における腐食生成物であるIn_2O_3の生成を顕著に抑制できることが明らかとなった。これらの結果から、Ag-20In-(1-3)Au合金は、口腔内での使用に耐える耐食性と経済性を兼ね備えた歯科鋳造用合金として有望であることが明らかとなった。本合金は、コア用としてばかりでなく、インレーやクラウンなどの歯冠修復用材料として有用である。
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