研究課題/領域番号 |
14571870
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
永沢 栄 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 助教授 (40064703)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 陶材焼き付け用合金 / 固液共存領域 / 固相点 / 液相点 / 凝固収縮率 / 固液共存領域における金属組織 / 機械的性質 / 弾性係数 / 凝固膨張率 / 陶材焼付け用合金 |
研究概要 |
2種類の市販陶材焼付け合金、KIK-HIIとDegubond-J2の熱膨張率、熱膨張係数、高温強度について、サーモメカニカルアナライザーを用いて液相点温度までの検討を行った。また、固液共存域の金属組織についても検討をくわえた。 金属組織の検討から、KIKの溶融時に液相の中で等軸晶が対流している状態が見られ、J2では固相の中に液相が浸潤し膨れ上がった固相と、その先端から等軸晶が成長している組織が見らた。これらは生成理由が不明なものであった。そこで、金銀パラジウム合金とTypeIII金合金と加えて溶融時の組織についてさらに検討をくわえた。その結果、金銀パラジウム合金以外では、溶融時に微細な結晶が晶出した。しかし、液相点+50℃からの急冷組織では微細な結晶は消滅し、過冷状態から晶出した大きなデントライトが出現した。また、微細な結晶は凝固時には出現せず、溶融が進行する状態において存在することが確認された。 以上の検討から、以下のような点が明らかになった。 1.KIKの固相点は1209.3±3.2℃、液相点は1308.3±7.1℃、溶融膨張率は0.41±0.16%である。 2.J2の固相点は1198.3±0.6℃、液相点は1253.0±4.4℃、溶融膨張率は4.50±0.80%である。 3.KIKとJ2の高温における機械的性質は大きく異なっており、KIKでは陶材焼成時に変形が生じる可能性が在るのに対し、J2では鋳造時の偏析を取り除く事が困難である。 4.歯科用合金は、初期溶融時に固相の一部が微細な結晶となり、その後液相に融けることによって消滅する。他の固相部は、時間と共に液相成分を吸収し肥大化する。凝固時には、液相点近傍の組織が決定的な影響を及ぼし、固相点になっても維持される。 5.溶融時に起こる微細な結晶の生成と消滅とは、歯科用合金の最適鋳込み温度に強い影響を及ぼすと考えられる。
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