研究課題/領域番号 |
14571872
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
後藤 隆泰 朝日大学, 歯学部, 教授 (30121320)
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研究分担者 |
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 講師 (00152877)
足立 正徳 朝日大学, 歯学部, 助教授 (60076057)
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (40116067)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 義歯床用加熱重合レジン / 環境応力割れ / 環境溶液 / 破壊靱性値 / 応力拡大係数 / 亀裂成長速度 / 加熱重合レジン / 床の割れ / クレーズ / 溶解反応 / 架橋材 / 加熱重合アクリルレジン / 割れのメカニズム / 機械化学的反応 / 非線形破壊 |
研究概要 |
床用加熱重合レジンの割れの原因について、破壊靱性値(K_<IC>)の測定、非線形破壊エネルギーの解析、環境溶液(エタノール、酢酸)の作用下に於ける亀裂成長速度(V)と応力拡大係数の測定、破断面の観察を通して検討を行った。K_<IC>は吸水、乾燥の状態の違いだけでなく、ひずみ速度にも依存したが、低速亀裂成長が零とんる場合の約1.0MPa・m^<1/2>を適切な値と考えた。また亀裂先端の塑性変形に伴う塑性エネルギー散逸値は亀裂成長に必要な全エネルギーの大きな部分を占めることが分かった。環境溶液にエタノールおよび酢酸を用いたVとK_<IC>の関係の測定から、環境溶液の濃度が低いと、吸水、感想に関わらずVは環境溶液との反応速度に律速され、環境溶液の濃度が高くなると、環境溶液の拡散速度に律速されるようになると考えた。更に、内部に水が存在すると、架橋材含有の有無に関わりなく亀裂成長速度が一定値に近づくことから、水は環境溶液の拡散を阻害すると推測した。破断面の観察から、吸水すると縞模様が観察され、乾燥したものは環境溶液の濃度がある値以上では非常に平滑な亀裂面を呈しており、亀裂成長を起こすメカニズムが異なっていると推察された。以上の結果から、(1)亀裂成長は環境溶液が分子間力を低下させ、高分子鎖を解きほぐす溶解に類似した現象によって起こる、(2)応力を受けて不安定になっている高分子鎖と環境溶液が直接反応して高分子鎖の一次結合を切断するために起こる、という2つのメカニズムが考えられた。
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