研究課題/領域番号 |
14571881
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
吉増 秀實 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70137933)
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研究分担者 |
大谷 啓一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10126211)
青木 和広 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40272603)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | TNFαペプチドアンタゴニスト / 骨吸収 / 破骨細胞 / RANKL / RANK / 浸透圧ポンプ |
研究概要 |
以前の研究より、in vitroにおける破骨細胞形成系の実験においてW9ペプチドが、破骨細胞形成を抑制することがわかっている。また今回の実験でW9ペプチドが、RNAKL/RANKのシグナルを抑制することを示したことから、W9ペプチドがRNAKL/RANKのアンタゴニストとしても作用することがわかった。 今回の研究でTNFαペプチドアンタゴニストW9(W9ペプチド)の効果を様々なモデルマウスを用いて確かめた。炎症性骨破壊を引き起こすリウマチ関節炎モデルであるCIAマウスに対するW9ペプチドの効果について確かめた。その結果、W9ペプチドの投与により、CIAマウスの炎症および骨破壊の両方を抑制することが認められた。そのためW9ペプチドが炎症性骨吸収に対しても抑制効果があるものと考えられた。さらに歯周病原性細菌であるP.gingivalisをマウス頭蓋に打ち込み、その結果生じた骨吸収に対してW9ペプチドの投与は抑制的に作用した。この結果より、歯周病に関連する骨吸収に対しても抑制効果があることが示唆された。これらの結果を考慮すると上記モデルマウスに対するW9ペプチドの骨吸収抑制効果は、破骨細胞を抑制したことによるものであると考えられた。 最近、乳癌・前立腺癌・肺癌などの骨に転移を起こしやすい癌細胞が、破骨細胞形成を促進させることが報告されている。またOPGやビスフォスフォネートなどの投与が担癌マウスの骨破壊を抑制したことも報告されている。そのため、これらの骨破壊に破骨細胞が非常に重要であることが示唆され、RNAKL/RANKのアンタゴニストとして作用するW9ペプチドが悪性腫瘍の骨転移による骨破壊を抑制する可能性が示された。 以上の結果より、W9ペプチドが様々な骨吸収に対して抑制効果を示すことが確認され、また本ペプチドが悪性腫瘍による骨破壊の治療薬として有望であることが示唆された。
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