研究課題/領域番号 |
14571898
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岡本 正人 徳島大学, 歯学部, 助手 (10243718)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 樹状細胞療法 / 抗腫瘍免疫療法剤OK-432 / リポタイコ酸 / Toll様受容体4 / 抗腫瘍免疫 / 腫瘍内投与 |
研究概要 |
リポタイコ酸関連分子OK-PSAは、A群溶血性レンサ球菌由来抗腫瘍免疫療法剤OK-432より分離した活性成分であり、Toll様受容体(TLR)4および共受容体MD-2を介して抗腫瘍免疫活性を発現する。樹状細胞(DC)は主たる抗原提示細胞である。癌組織中に存在する未熟DCは癌細胞を取り込んだ後、適切に成熟するとT細胞に癌抗原を提示し抗腫瘍効果を発現する。DCが抗腫瘍効果を発現するためにはDC成熟化の誘導が重要である。本研究ではOK-PSA併用DC局所投与療法開発を目的とし、まず、OK-PSAがDCの成熟化を誘導するか否かをin vitro実験系にて検索した。TLR4およびMD-2を発現している健常人あるいは口腔癌患者由来DCをOK-PSAで刺激することによりMHC class I、MHC class II、CD80、CD83およびCD86の発現上昇およびサイトカン、ケモカイン産生が認められた。OK-PSA刺激DCは、アロT細胞の増殖を刺激し、アロ抗原特異的細胞障害性T細胞(CTL)を誘導した。TLR4あるいはMD-2の発現が認められない口腔癌患者由来DCにおいては、OK-PSAは上記のような活性を示さなかった。OK-PSAが健常人および担癌患者においてTLR4/MD-2複合体を介してDCを成熟化する事が明らかとなった。次に、担癌マウスを用いたin vivo実験系において、OK-PSA併用DC腫瘍内投与療法の抗腫瘍効果につき検討した。同系の癌細胞株LL/2を移植したC56BL/6マウス(TLR4+/+)において、DC+OK-PSA併用療法を施行することにより、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)および所属リンパ節(LN)細胞の、移植癌細胞LL/2に対するCTL活性の増強が認められ、強い腫瘍増殖抑制効果が認められた。C56BL/6由来TLR4-/-マウスにおいてはDC+OK-PSA療法はほとんど効果を発現しなかったが、同マウスにおいても、野生型C56BL/6由来DCを腫瘍内投与した時は、OK-PSAとの併用により、CTL活性の増強と抗腫瘍効果が認められた。以上の結果より、DCとOK-PSAの局所併用療法が固形癌の治療に有効であることが強く示唆された。また、TLR4欠損宿主においても、少なくとも局所投与するDCにTLR4の発現があればDC+OK-PSA療法は抗腫瘍効果を発現することが明らかとなった。
|