研究分担者 |
富沢 美恵子 (富沢 美惠子) 新潟大学, 歯学部, 教授 (50107786)
佐藤 拓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (10303132)
高橋 信博 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60183852)
野田 忠 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00013970)
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研究概要 |
口腔内では多数の細菌が関与しながら病原性の高い細菌叢を徐々に形成していくこと、すなわち細菌叢の変化(シフト)が起こることが注目されている。特に小児期においては、年齢に伴い細菌叢が変化する可能性がある。また、小児期の口腔感染性疾患の発生は、食生活の影響を受けやすいことも知られており、特に、糖の摂取と齲蝕の関係は周知の事実である。本研究は、加齢や糖摂取の影響による細菌叢の変化(シフト)を迅速に解析するために、分子生物学解析法の開発を行った。 まず第1に、特に小児の齲蝕関連菌の大部分を占めるといわれる口腔レンサ球菌の迅速同定法として、菌属特異的なプライマーでのPCRによる菌属決定と制限酵素処理による菌種決定の組み合わせ法を開発した。第2に、各年齢層の健全な歯面から採取したプラークを試料とし,異なる3種類の遺伝子配列(16S ribosomal RNA, glucosyltransferase, dextranase)に基づいたプライマーによるPCR法によって、特に齲蝕の原因とされるS.mutans, S.sobrinusの検出頻度を比較した。その結果、S.mutans, S.sobrinusとも16S rRNAを標的遺伝子とした場合,最も検出頻度が高かった。最も検出率の良い16S rRNAを標的遺伝子とした場合の検出率を年齢層別に見ると, S.mutansは全ての年齢に検出されたが,S.sobrinusは,全年齢層を通して検出率が低く,全体で10%であり,歯列完成期および混合歯列期に検出される傾向が見られた。殊に、16S rRNA遺伝子に基づいたPCR法は, mutansstreptococci以外の歯垢細菌の迅速・的確な検出に適用可能なことから,口腔内フローラのモニタリングにも有用であると考えられた。
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