研究概要 |
歯科衛生士学生に対するコミュニケーション教育後の教育効果の持続性について調査研究を行った。歯科診療における小児患者とのコミュニケーション能力の向上を目的として,歯科衛生士学生30名に対し行動科学的トレーニングを行った。従来の講義形式の教育のみならず,ビデオテープやロールプレーを用いたシミュレーション型のトレーニングを行った結果,コントロール群の歯科衛生士学生30名と比較しトレーニング群の方が平均スコアーが高く,両群間に5%の危険率で有意差を認めた。 さらに,臨床実習終了後に,両群の学生に「小児とのコミュニケーション技能評価尺度」による評価を再度行った。また,実際の小児歯科診療における歯科医療面接(インタビュー)を実施した。歯科衛生士役の学生の医療面接技術の修得の評価を,面接の進め方と面接で得られた情報についての両面から行った。この評価においては,津田が開発した「医療面接評価シート」を使用した。その結果,コントロール群と比較しコミュニケーション教育群の学生の方が,小児とのコミュニケーション技能評価の平均得点が高く,両群間に5%の危険率で有意差を認めた。また,両群における歯科医療面接評価を比較検討した結果,面接で得られた情報については有意差は認められなかったが,面接の進め方においてコミュニケーション教育群の方が平均評価得点が高く,5%の危険率で有意差を認めた。これらにより,歯科衛生士学生に対するコミュニケーション教育後の教育効果が持統されていることが示唆された。
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