研究課題/領域番号 |
14571995
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
関 宏子 千葉大学, 分析センター, 助手 (60114245)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | PFG-NMR / CSI-MS / 分子拡散 / 水素結合 / 連鎖構造 / ステロイド化合物 / X線解析 / タンパク質-リガンド複合体 / HMBC / 分子クラスター / 生体分子 / 緩和時間 / パルスシーケン |
研究概要 |
溶液中の水素結合による連鎖構造を解明する目的で、生理活性を有する種々のステロイド化合一物について、単結晶X線解析・コールドスプレー質量分析法(CSI-MS)・PFG-NMR法(特に拡散係数から得られる情報)を用いて研究を行った。プロゲステロンのように、水素結合を形成する置換基(OH基等)を持たない化合物のCSI-MSスペクトルは2および3量体が観測されるが連鎖構造は確認できないし、単結晶X線解析でも結晶内の分子間相互作用は観測されない。コルチゾンでは13量体を超える大きな連鎖会合体がCSL-MSで観測され、結晶構造においても分子間水素結合による連鎖構造が確認できた。さらに溶液中における連鎖構造の形成を確認するためPFG-NMR法・(BPP-STE法)を用いて拡散速度係数を求めたところ、プロゲステロンでは6.98x10^<-10>m^2/S、コルチゾンでは5.58x10^<-10>m^2/Sであった。この結果からCSI-MSで連鎖会合体の形成が示唆される分子は拡散係数が小さくなる、すなわち拡散速度が遅くなることが証明された。分子量の異なる極性官能基(OH基やCOOH基)を持たない化合物でキャリブレーションを行い、計算から求めた分子半径と拡散係数の相関について数種のステロイド化合物と比較した結果、この数値の正当性が確認され、本手法により水素結合の有無の検証ができることが明らかとなった。 タンパク質とリガンドとの相関関係は、薬学や構造生物学の領域において注目されており、医薬品の生理活性を理解する上で有効な手がかりになる。一般にタンパク質のような大きい分子と小さいリガンド分子との複合体の立体構造をNMRで検出することは非常に困難であるが、今回蛋白質としてヒト血清アルブミンとリガンドとしてサリチル酸を用いて、NMRで拡散とNOEを利用した新しい3次元パルスシークエンス測定からその結合状態の観測を行った。
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