研究課題/領域番号 |
14572004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
青木 俊二 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (60252699)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | がん多剤耐性 / P-glycoprotein / MRP1 / agosterol A / 放射性光親和性標識プローブ / kendarimide A / 光親和性標識 |
研究概要 |
1)P-gpとMRP1の関与するがん多剤耐性の克服物質として単離したagosterol Aの作用を検討し、agosterol Aが細胞外への抗がん剤排出を抑制して細胞内の抗がん剤蓄積量を回復することを明らかにした。また、両耐性株から調製した膜画分を用いて薬剤排出膜蛋白質に対するagosterol Aの直接作用を検討し、agosterol Aが、これら膜タンパク質に直接作用してその機能を阻害していることを明らかにした。 2)Agosterol Aの構造活性相関研究を行い、分子内の3個のアセチル基と2個の水酸基が活性発現に重要であることを明らかにした。また、^<125>Iとアジド基を有する光親和性補助基を11位および22位水酸基に5炭素のリンカーを介して結合させた2種のラジオアイソトープ光親和性プローブを設計・合成することに成功した。 3)2)で合成した光親和性プローブを用いてP-gpおよびMRP1に対する標識実験を行った結果、11位水酸基に光親和性補助基を結合させたプローブが、P-gpおよびMRP1を効率よく標識でき、さらに本プローブは、MRP1の標識において、MRP1の基質輸送の際に必須であるグルタチオンの存在下のみにMRP1を標識できるという優れた選択性も有していることが明らかになった。さらに、本プローブを用いてMRP1を標識後、限定加水分解し、分解物をSDS-PAGEで分離解析した結果、本プローブの結合部位は、MRP1のC末端側に存在することが判明した。さらに、MRP1の各種ミュータントを調製し結合実験を行った結果、基質結合部位は17番目の膜貫通領域を中心に形成されており、その中に存在する1249番目のアルギニンが、基質の結合に重要であることが明らかになった。また、MRP1の1295番目から1531番目(C末端)までの領域やN末端側の膜貫通領域(TMDO)は基質の結合にあまり重要でないことが明らかになる一方、基質のGSH依存性の結合には、MRP1のlinker region LOが大きな役割を果たしていることが明らかになった。 4)新たながん多剤耐性克服物質の探索を行い、インドネシアで採集したHaliclona属海綿からP-glycoproteinの関与する耐性を克服するkendarimide Aと命名した新規ペプチドを単離し、その化学構造を明らかにした。
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