配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
まず,誘導体化-LC/MSを基盤とする生体内ビタミンD製剤及び代謝物の高感度分析法を開発した.すなわち,ビタミンD化合物と定量的にDiels-Alder付加体を形成するCookson型試薬の中で,プロトン親和力の高いDMEQTADを正イオン検出APCI-MS用誘導体化試薬として導入し,1α-ヒドロキシビタミンD_3(アルファロール^<【○!R】>)のヒトにおける体内挙動を初めて明らかとした.さらに同様の手法を用いて生理的条件下の尿中ビタミンD_3代謝物の同定にも成功した.続いて電子親和性原子団を有する化合物が負イオンモードのAPCI-MSに高感度な応答を示すことに着目してニトロ基を有するCookson型試薬(NPTAD)をヒト血中25-ヒドロキシビタミンD_3測定に適用した.本アッセイは操作が簡便で市販のRIAへを凌駕する感度を有していた.さらに24,25-ジヒドロキシビタミンD_3[24,25(OH)_2D_3]用にボロン酸を反応活性基とする新規試薬も開発した. 一方,3位異性化酵素及び機構について検討し,3α-及びβ-ヒドロキシステロイド脱水素酵素が24,25(OH)_2D_3の3位異性化を触媒することを見出した.また,これら酵素は3位異性体[3-epi-24,25(OH)_2D_3]も基質とすることも明らかとした.さらに反応混合物から3位にオキソ基を有する化合物も単離し,本異性化反応が脱水素と還元の2段階で進行することを強く示唆するデータを得た. 最後にキンギョウロコ細胞を用いるin vitroアッセイにより種々のビタミンD_3化合物の骨代謝能を吟味したところ,3-epi-24,25(OH)_2D_3は10^<-8>Mレベルで骨芽細胞活性を上昇させ,24,25(OH)_2D_3や活性型D_3(1,25-ジヒドロキシビタミンD_3)とは異なる挙動が観察された.
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