研究課題/領域番号 |
14572033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
西田 孝洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20237704)
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研究分担者 |
中嶋 幹郎 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00260737)
川上 茂 京都大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20322307)
中村 純三 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30115901)
栄田 敏之 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (00304098)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 肝臓 / 抗癌薬 / 肝疾患 / 腹腔内投与 / 吸収速度 / 薬物速度論 / 抗癌剤 |
研究概要 |
臓器表面からの吸収を利用した局所標的化に基づいた新規投与法の、癌化学療法や遺伝子治療への臨床応用を究極の目的として、抗癌剤や遺伝子医薬品を肝臓表面投与後の臓器内分布と治療効果との関連性、および臨床応用に最適な製剤設計に主眼をおいて、抗癌薬5-fluorouracil(5-FU)を用いて、ラットにおける肝臓表面投与後の吸収性および吸収後の体内動態を検討した。その結果、肝臓表面投与により、5-FUの体内および肝臓内動態を制御できる可能性が示唆され、肝癌の化学療法に有用な基礎的情報となることが期待された。また、他の腹腔内臓器表面への適用の可能性も示された。さらに、遺伝子医薬品への応用をマウスを用いて検討し、安全な遺伝子ベクターであるプラスミドDNAの新規な投与経路としての肝臓表面の有用性が示された。一方、肝臓表面投与を実際に適用する肝疾患時には、薬物体内動態の変動が予想される。そこで、肝臓表面投与を臨床応用するための基礎的検討として、肝障害を引き起こす四塩化炭素(CCl_4)あるいはD-galactosamineで処理した肝疾患モデルラットにおける肝臓表面投与後の薬物吸収動態を検討した。コントロール(未処理群)と比較してCCL_4処理群では低分子性の色素フェノールスルホフタレインの肝臓表面からの吸収速度が若干上昇したのに対し、D-galactosamine処理群では逆に低下した。さらに、分子量の異なる他の化合物においても同様の傾向が見られた。したがって。肝臓表面からの薬物吸収性に関して、顕著な変化は認められないものの、肝疾患群により若干異なる可能性が示唆された。さらに、肝臓癌への適用を想定して、肝切除後3および7日後のラットを用いて検討したが、肝切除に伴う生理学的変化の影響で、肝臓表面からの薬物吸収に変動は見られたものの、極端な低下は認められなかった。
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