研究課題/領域番号 |
14572048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松本 健一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30202328)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 細胞外マトリックス / 癌 / マトリックスメタロプロテアーゼ / テネイシンX / マトリックス メタロプロテアーゼ / マトリックスメタプロテアーゼ |
研究概要 |
テネイシンX(TNX)は細胞外マトリックス・テネイシンファミリーに属する。我々は癌細胞の増殖、浸潤、転移におけるTNXの役割を明らかにするためにTNX欠損(-/-)マウスの作成を行ない、メラノーマ細胞を足に接種し、その増殖、浸潤を検討した。その結果、TNX-/-マウスにおいて、メラノーマの浸潤、転移が、野生型マウスに比べ有意に高いことが明らかとなった。これはマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)(特にMMP-2)活性のTNX-/-マウスでの亢進による。 本研究では、TNX欠損による、MMP活性化の分子機構、TNX欠損により活性化されるシグナル伝達経路の同定を試みた。TNX+/+線維芽細胞とTNX-/-線維芽細胞を用い、それらの細胞にMEK1阻害剤、JNK阻害剤、p38阻害剤、P13キナーゼ阻害剤、PKC阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤等の各種シグナル伝達経路の阻害剤を添加し、MMP-2活性化の有無をザイモグラフィーにより検討した。その結果JNK阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤により、TNX-/-細胞において、薬剤無添加時に見られたMMP-2の活性化が抑制されることが明らかとなった。また,その時のMMP-2遺伝子のプロモーター活性を測定してみると、JNK阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤により、プロモーターの活性化が抑制されていることが明らかとなった。また実際にTNX-/-細胞において、TNX+/+細胞に比べJNK/SAPK、チロシンキナーゼのリン酸化が亢進していることが明らかとなった。以上のことより、TNX欠損によるMMP-2活性化には、JNK/SAPK経路、チロシンリン酸化経路が関与していることが明らかとなった。
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