研究課題/領域番号 |
14572050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
桝渕 泰宏 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (10209455)
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研究分担者 |
伊藤 晃成 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (30323405)
堀江 利治 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90120154)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 薬剤性肝障害 / サイトカイン / アセトアミノフェン / インターロイキン-6 / 熱ショックタンパク質 / インドメタシン / エンドトキシン / Toll様受容体4 / TNF-α / インターロイキン-10 / ジクロフェナック / シトクロムP450 |
研究概要 |
前年度に引き続き、薬剤性肝障害における毒性発現因子あるいは抑制因子を明らかにする検討の一環としてインターロイキン-6(IL-6)ファミリーのサイトカインに着目した。アセトアミノフェンによるマウス肝障害過程でIL-6、IL-11、オンコスタチンMおよびLIFの肝mRNA発現量の増加が認められ、特IL-6の反応性が顕著であった。IL-6ノックアウト(KO)マウスではアセトアミノフェンによる肝障害が増強したことから、IL-6は肝障害防御因子として高い反応性で誘導されたものと考えられた。IL-6KOマウスでは熱ショックタンパク質(HSP)特にHSP25、32、40のアセトアミノフェン投与による誘導性が低下していたことから、IL-6はこれらHSPの誘導を介して防御作用を発揮するものと考えられた。一方、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の肝機能に及ぼす影響についても引き続きシトクロムP450を指標に検討した。インドメタシン投与によって肝P450の低下が見られたマウスにおいては門脈血中に高濃度のエンドトキシンが検出され、内因性炎症メディエーターとしての関与が示唆された。そこで、Toll様受容体4を機能的に欠損したエンドトキシン非感受性マウス(C3H/HeJ)と感受性マウスにインドメタシンを投与し、肝P450発現量および関連薬物代謝酵素活性を測定したところ、非感受性マウスでは感受性マウスに比べて、インドメタシンによる肝P450のdown regulationにおいても、感受性の低下が観察された。即ちインドメタシンによる肝機能低下にはエンドトキシンとそれに刺激された炎症性サイトカインが介在することが示された。以上の結果、肝障害過程やその防御過程にサイトカインを含めた炎症メディエーターが関与し障害の重傷度を決定すると結論できた。
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