研究課題/領域番号 |
14572057
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
菅谷 純子 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (30098131)
|
研究分担者 |
三輪 匡男 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10046287)
吉成 浩一 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (60343399)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | グルクロン酸抱合酵素 / 体質性黄疸 / 高ビリルビン血症 / ビリルビン / 遺伝子変異 / SNP / 核内受容体 / フラボノイド / UGT1A1 / プロモーター遺伝子 |
研究概要 |
薬物代謝酵素の構造遺伝子解析は体質別治療法導入に当たって有用な情報をもたらすが、個体の薬物代謝(解毒)能は薬物の服用時また病態時には健常時と異なる、即ち酵素遺伝子発現状態(発現誘導、抑制)に差があることから、転写調節領域の遺伝子解析並びに転写調節因子の解析の重要性が指摘されている。本研究では、ビリルビングルクロン酸抱合酵素UGT1A1に着目し研究を進めた。UGT1A1代謝異常により体質性黄疸が発症するが、我々が同定した本酵素のプロモーター領域に変異を起した異常遺伝子を世界で初めて発見し、日本人に多く見いだされるこの異常遺伝子保有者(ヘテロ接合体)はUGT1A1酵素活性が低く、体質性黄疸を発症し易いことを明らかにした。経験上、臨床現場では酵素誘導活性を持つ催眠薬フェノバルビタールを治療薬として使用してきたが、その強力な催眠作用は患者QOL面で問題があった。恒久的服用を必要とし、患者QOLを高め、より安全な治療方法の開発が待望されていることから、本研究ではさらに酵素誘導作用を有する食品・植物成分をレポーター活性を指標に探索を進めた。その結果、クリシン、バイカレイン等の5位、7位に水酸基をもつフラボンがUGT1A1の強力な転写亢進作用をもつこと、これらフラボンがフェノバルビタール応答エレメントPBREMに結合しその遺伝子転写が亢進する機序を明らかにした。変異PBREM保有者もまたこれらフラボンが転写亢進作用を示したことから、先天的本酵素低活性者の持つ薬物副作用発症防止作用をもつことが強く示唆された。これらの知見は対質性黄疸の治療法の開発、抗がん剤イリノテカン等の薬物副作用の防止、核内受容体を標的とした医薬品の開発に貢献できるものである。
|