研究課題/領域番号 |
14572069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山下 純 帝京大学, 薬学部, 助教授 (80230415)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アシルCoA / リゾリン脂質 / アシルトランスフェラーゼ / リゾホスファチジン酸(LPA) / ホスファチジン酸(PA) / トランスアシレーション / ホスファチジルイノシトール(PI) / リゾホスファチジルイノシトール(LPI) / リン脂質 / 小胞輸送 |
研究概要 |
アシルCoAは脂肪酸がCoAとチオエステル結合した化合物であり、脂肪酸の活性化物質である。様々な脂肪酸代謝、脂肪酸のリン脂質、中性脂質への導入はアシルCoAへ変換されてから行われることから、この物質は脂質代謝の中心的な役割を担う物質といえる。現在、アシルCoAの産生経路としてはアシルCoAシンセターゼ(ACS)が知られており、ATPのエネルギーを利用して遊離脂肪酸をアシルCoAへ変換する。一方、私たちのグループは、動物細胞の膜画分をCoAとインキュベートすると相当量のアシルCoAが生成することを発見した。ここで観察されたアシルCoA合成活性はATPを必要としないことからACSと全く異なるもので新規合成経路といえる。アシルCoAと同時にリゾリン脂質が生成することから「ATP非依存性アシルCoA合成酵素系」の基質はリン脂質であることが想定された。関与する酵素(系)を分子レベルで明らかにすることを目的として、「新規アシルCoA合成経路はリゾリン脂質を基質とするアシルトランスフェラーゼの逆反応により触媒される」という仮説を立てこれを検証した。実際にはリゾリン脂質アシルトランスフェラーゼのなかで唯一cDNAクローニングが成功しているリゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ(LPAAT)を用いてこの酵素にATP非依存性アシルCoA合成活性があるかどうかを検討した。LPAATを発現させた膜に、ホスファチジン酸を基質としたATP非依存性アシルCoA合成活性が観察され、LPAATは逆反応を触媒しアシルCoAを生成しうることが明らかになった。LPAATに関しては仮説が正しいことが証明された。 作業仮説を真のものと証明するためには、これを他のアシルトランスフェラーゼに適用し、確認する必要がある。他のアシルトランスフェラーゼの実体は明らかでないので、LPIアシルトランスフェラーゼ(LPIAT)の精製を試みた。肝臓ミクロソーム画分より、LPIATを可溶化、部分精製した。肝臓ミクロソーム画分には、様々なリゾリン脂質に対するアシルトランスフェラーゼ活性が存在するが、可溶化、精製を進めるにつれてLPIAT精製され、それに対応して他のリゾリン脂質に対するアシルトランスフェラーゼ活性は除かれた。この結果はリゾリン脂質の特異性が異なる別々のアシルトランスフェラーゼが存在することを意味する。また、同時にPIを基質(アシルドナー)としたATP非依存性アシルCoA合成活性が精製された。このアシルCoA合成活性はホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、PAなど、他のリン脂質は基質とならず、アシルドナーはPIに特異的であった。これらの結果は、LPIATは逆反応を触媒し、PIを基質としてCoA依存的にアシルCoAを合成することが示された。LPIATに関しても概ね仮説は正しいと考えられる。
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