研究概要 |
1)下水並びに工場排水の活性汚泥処理におけるバルキング防止としての米ぬかの利用 1999年11月から食品工場における排水処理施設のバッ気槽に米ぬかを添加して実験を続行した。バッ気槽(容積54トン)に米ぬかを1カ月に1回、2kgを投入した。活性汚泥処理で最も問題となるバルキング現象も改善され、良好な結果を得た。これらの成果は第52回日本薬学会近畿支部総会(2002.10.19.大阪)並びに第37回日本水環境学会年会(2003.3.4.熊本)で発表した。 2)米ぬか並びに小麦ふすまによるモノクロラミンの処理剤としての開発 米ぬか並びに小麦ふすまがモノクロラミンを分解することを見つけた。除去機構は有害物質の除去機構とは異なり、活性炭と同様の作用によるものと推測している。モノクロラミンは残留塩素とアンモニアやアミンが反応して生成される。従って、下水処理場の放流水に必ず含まれている。神戸市東部下水処理場の放流水の測定値は0.22-0.46mg/Lであった。海域や河川に直接放流するので、その強力な酸化力のために、公共水域における水生生物に対して毒性を示す。実際、ノリの養殖場では被害がでている。これらの成果は第52回日本薬学会近畿支部総会(2002.10.19.大阪)並びに第37回日本水環境学会年会(2003.3.4.熊本)で発表した。 3)米ぬかによる有害物質の除去 我々は新しい除去剤を開発する過程で、米ぬか等の粕物質が、クロロホルム等の有機塩素化合物、ベンゼン、農薬類やフタル酸ジ-n-ブチルの有害物質の除去に、活性炭とほぼ同じ効果を持つことを発見した。(J.Agric.Food Chem,2000,2001)(特願2000-219231)またその除去機構も明らかにした。(J.Health Sci., 2001)
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