研究課題/領域番号 |
14572123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大久保 一郎 筑波大学, 社会医学系, 教授 (40323307)
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研究分担者 |
高橋 秀人 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (80261808)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | インフルエンザ / 費用効果分析 / 費用効果比 / 増分費用効果比 / 判断樹 / YOLS / 感度分析 / モンテカルロシミュレーション / 高齢者 / 予防接種 / ICER / 費用効果 / 臨床経済学 / 政策評価 / 医療費 |
研究概要 |
医療の経済評価の手法である費用効果分析を用いて、65歳以上高齢者に対するインフルエンザ予防接種の現行公費補助政策の費用効果を支払い者の視点より明らかにすることに加え、補助率や補助対象が異なる他の複数接種政策の費用効果と比較し、より効率的な資源の使い方を探ることを目的とした。 方法として、判断樹モデルを用いて、2次的資料の組み合わせにより求められたパラメーターから接種費用、インフルエンザ罹患後の医療費及び接種によってもたらされた効果(YOLS)を算出したのち、設定した接種政策のぞれぞれの費用効果比及び増分費用効果比を算出した。 結果として、現行政策は保険診療費の節減効果につながり、かつ費用効果的であることが示された(1YOLSあたりの費用は約69万円)。しかし、基礎疾患を有するハイリスク高齢者にのみ接種費用の全額を補助する政策は現行政策に比べ、より少ない費用で、より好ましい効果が得られた。 用いたパラメーターの不確実性を検討するため、一元感度分析及びモンテカルロシミュレーションを行った。罹患率が17%以上或いは接種費用が1,700円以下になると現行政策が費用節約的となる。接種費用が入院費用、外来費用、死亡費用、ワクチン効果、平均余命、死亡率、入院割合などのパラメーターの値の範囲(range)と分布を定義したのち、シミュレーション(1000回)を行った結果では、罹患率が3.5%と低い場合においても、現行政策の費用効果比は1,000回中987回以上の割合で300万円/YOLSの下方にあり、特定の医療制度が許容する一応の目安である1YOLS(或いはQALY)当たり5万ドルを下回った結果となった。
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