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慢性疼痛下のモルヒネ反復投与によるオピオイド受容体情報伝達の変容と脱感作抑制現象

研究課題

研究課題/領域番号 14572163
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 応用薬理学・医療系薬学
研究機関神戸学院大学

研究代表者

徳山 尚吾  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (70225358)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード慢性疼痛 / 痛み刺激 / モルヒネ / 耐性形成 / 細胞接着分子 / NCAM / PKC / 細胞内情報伝達 / κオピオイド受容体 / μオピオイド受容体
研究概要

臨床におけるがん性疼痛治療において、モルヒネの反復投与による耐性・依存が形成されにくいとの報告がある。我々は慢性疼痛モデル動物を作成し、上記の現象を再現することに成功し、痛み刺激によるκオピオイド受容体(κ受容体)機構の活性化や、protein kinase C(PKC)などによる受容体リン酸化の減少が耐性形成抑制を誘導する可能性を示唆してきた。さらに、昨年度の報告においては、慢性疼痛下におけるmorphineの鎮痛効果に対する耐性形成抑制は、痛み刺激によるκ受容体機構の活性化が起こることによってcPKC活性が減弱し、μ受容体リン酸化の減少、すなわちmorphine耐性形成の抑制を導く可能性を示唆した。
近年、細胞接着分子の一つであるNeural Cell Adhesion Molecules(NCAM)が、モルヒネμ受容体刺激によるPKCのリン酸化シグナル伝達機構の一部を共有し、さらに細胞レベルではNCAMの発現量低下とμオピオイド受容体の発現量低下が相関していることが報告されていることから、本年度は、新たな分子種としてNCAMに焦点を当てて検討した。NCAMに対するAS-ODNの処置によって、モルヒネの耐性形成は抑制された。さらに、モルヒネ耐性形成マウスの脳中脳部位におけるcPKCタンパク質の発現上昇もAS-ODNの処置によって薬物未処置の対照群レベルに回復した。さらに、モルヒネの耐性形成時には、NCAMタンパク質発現がモルヒネ投与後数時間で消失することが明らかになった。一方、慢性疼痛下のモルヒネ耐性不形成時には、NCAMタンパク質発現に変動はみられなかった。
以上、慢性疼痛下におけるmorphineの鎮痛効果に対する耐性形成抑制には、NCAMの消失そのものに起因するのではなく、モルヒネ投与後にNCAMの急激な変動が起こらないことが、cPKC活性の上昇を抑制する機序において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。

報告書

(3件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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