研究課題
基盤研究(C)
どのようなケアが提供されれば、末期にある患者が、残されたわずかな命を安らかに充実して生きることができるか、について在宅ホスピスケア・プログラムの作成という観点から研究を行なった。2002年;日本におけるホスピスケアの現状から、在宅ホスピスケアの問題点を明らかにするために、全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会会員170施設(平成14年12月1日現在)を対象にアンケート調査を行ない52.4%の有効回答を得た。分析結果、日本での在宅ホスピスケアの発展が阻害されている要因として、在宅ホスピスを支援する社会資源の不十分さ、ホスピス・緩和ケアに関する専門的な知識や技術をもった医師や看護師が不足していること、市民への啓発不足などが挙げられた。2003年;アメリカにおける在宅ホスピスケアの特徴(在宅ホスピスを可能としている諸条件)からわが国の在宅ホスピスケアのあり方を示唆する手がかりを得ることを目的として、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで幅広く在宅ホスピスケアを提供しているALLINA Hospital & Clinicsを訪問し、資料を収集した。2004年;日本の在宅ホスピスケアの普及を阻んでいる要因がアメリカではどのように解決されているかを探り、その方策の日本での適用可能性について検討し、日本での在宅ホスピスケアのあり方をシュミレーション(プログラム化)した。それは、看護師を中核とする在宅ホスピスケアを専門とする事業所の新設である。この在宅ホスピスケア(専門)事業所(仮称)は次のような設置条件をクリアする必要がある。1つは、看護師を中核としたホスピスチームによるケア提供であること、2つは、在宅ホスピスケア(専門)事業所の厳格な設立要件(患者側の在宅ホスピスケアの受給資格基準も含む)をクリアすること。3つ目は、「在宅ホスピスケア提供料」(仮称)の創設である。
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