研究課題/領域番号 |
14572229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大池 美也子 九州大学, 医学部・保健学科・看護学専攻, 教授 (80284579)
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研究分担者 |
長家 智子 九州大学, 医学部・保健学科・看護学専攻, 助教授 (70207976)
北原 悦子 九州大学, 医学部・保健学科・看護学専攻, 助教授 (60204905)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ナラティブ・アプローチ / 模擬患者 / 基礎看護学教育 / 体験学習 / 基礎看護技術教育 / 患者教育 / ナラテイブ・アプローチ |
研究概要 |
全体かつありのままの患者を理解する方法として、ナラティブ・アプローチを視野にいれた模擬患者による演習を基礎看護技術の単元「指導技術」に導入した。物語構築を方向づけるため、生活者としての患者理解に関わるキーワードを取り入れたシナリオを作成するとともに、それに基づく糖尿病患者指導場面を撮影しビデオ教材とした。この糖尿病患者指導場面に基づく演習を行い、その終了後に看護学生が作成した演習レポート及び感想文をデータとし、その結果から以下のように考察した。 模擬患者が語った仕事中心の生活や夫との二人暮しなど患者の生活への着目は少なく、糖尿病の運動療法や食事療法へ注目する傾向があった。また、これらの情報による看護学生の記載した思考内容をクリティカル・シンキングを基盤とした枠組みにより分類を行った。分類結果から、看護学生は憶測や心理・情緒面あるいは知識に基づく思考を辿る傾向にあり、明確な根拠による思考は少ない傾向にあった。 このような結果は、看護学生の生活体験の乏しさによる影響があり、人々の発達段階やその背景あるいは日常の些細な出来事への意味づけなど生活への理解に関する指導の必要性が伺えた。さらに、治療方法に注目する傾向は、患者の認知領域の不足として捉えられる可能性があり、それによって患者への指導が看護師側による一方的な知識伝達ともなりうる。このような傾向においても、患者の生活への理解が不可欠であり、患者の語るなかに、生活概念に関するテーマを取り入れていくことが今後の検討課題として明らかになった。
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