研究課題/領域番号 |
14572254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
小澤 道子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (40297065)
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研究分担者 |
香春 知永 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (30194947)
横山 美樹 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (70230670)
佐居 由美 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (10297070)
大久保 暢子 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (20327977)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | Florence Nightingale / NOTES ON NURSING / Nursing / 看護学 / 霊性 / Notes on nursing / 看護 / 書誌学的アプローチ |
研究概要 |
「NOTES ON NURSING」(II版)の原文を底本テクストとして、原文の「Nursing」という言葉の用いられ方とその意味構造を明らかにした。 1.ナイチンゲールが「Nursing」(看護)という言葉を概念化した背景には、産業革命以後の人間と自然(science)との関係で知識論が問われていく中で、人聞と自然(science)と神との関係の中で「Nursingjを論述させたいとする考えが推察された 2.「NOTES ON NURSING」の序章と終章に7つ(「Nature/nature」・「God」・「Providence」・「laws」・「reparative」・「disease」・「health/healthy」)のキーワードが集中しており、それらによって次の3つの命題が考えられた。第1命題:神の法則(the law of God)・生命の法則(the law of life)、第2命題:病気は、修復作用過程(a reparative process)で自然の働き(effort of nature)、第3命題:病気の症状や苦痛は、新鮮な空気、陽光、静かさ、清潔などの一部または全部が欠けていることが原因。これらの命題に従って、「看護(Nursing)は、新鮮な空気や陽光、暖かさや清潔さなどを適切に保ち、生命力の消耗を最小にする」というナイチンゲールの定義に繋がることが解釈された。この看護の定義の背景には、自然科学が発達して神への信仰が失われつつあった19世紀に「自然の法則」の根源に「神の法則」があることを説き、神の本性を宿す人間の本性を人間自らが発揮できるようにしたい主張があり、ナイチンゲールの看護観の理解には、「霊性・神の問題」の大きいことが示唆された。 3.「NOTES ON NURSING」と「Suggestions for Thought」の比較により、前者のキーワードに対し、後者から「God」・「law」さらに「Truth」・「Spiritual life」・「Human Will」・「Religion」のキーワードが見いだされ、その意味する内容の検討がさらに「Nursing」の意味を明瞭化することが示唆された。 以上、人は、病気(身体)という苦痛・苦悩の過程でも、霊的生活を通して神とひとつになれると考え、自然科学の「知」と神についての「知」を重ねる新しい「知」(科学)の創造として知識と実践を融合させた看護(学)を考えていたことが推察された。
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