研究課題
基盤研究(C)
研究目的本研究は、日本人乳がん体験者とその配偶者のプラスとマイナスの両側面を含めたソーシャル・サポートと健康を経時的に捉え、その実態と変容を知ること、また、関連を検討することである。研究方法乳がんの診断を受け治療とケアを受ける者とその配偶者に研究目的や方法、倫理的配慮に関する説明を行い、同意を得た者に手術前から手術後2年まで6回にわたり、ソーシャル・サポート質問紙、精神健康調査票によりデータを収集した。記述統計、t検定、ピアソン積率相関係数、重回帰分析、反復測定分散分析により分析を行った。結果と考察1.乳がん体験者とその配偶者のサポートは全期間を通し手術前が最も高く、配偶者よりも乳がん体験者が全期間を通し高い値を示し、西欧諸国の研究報告と一致した。2.ソーシャル・サポート・ネットワーク構成員は、乳がん体験者も配偶者も家族、親族、友人であった。3.乳がん体験者の精神的状況は、手術後1年経過し手術前の値に近づいたが、有意な変容が無かった。この結果は、検定力と対象者数を考慮し再検討が必要である。4.乳がん体験者の身体的状況は、手術後の時間経過とともに自覚・他覚症状無しとする者の割合が僅かに増加傾向を示した。しかし、身体的状況の平均値の比較では手術前と手術後に有意差を示し、手術前の身体的状況までに回復していないことを示した。5.乳がん体験者の精神的状況と身体的状況は、手術前、手術後3ヶ月、手術後6ヶ月、手術後1年において有意相関を示した。配偶者の精神的状況とコンフリクトは、手術前から手術後3ヶ月、手術後6ヶ月、手術後1年において有意相関を示した。6.乳がん体験者の精神的状況への影響する関連要因は、手術前では身体的状況とコンフリクト、手術後3ヶ月では、身体的状況とサポートであった。7.以上の結果を基に、医療者は乳がん体験者とその配偶者の精神的・身体的状況の維持・増進のためケア提供を行う必要がある。
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13th International Conference on Cancer Nursing : Conference Programme & Abstract Book
Psycho-Oncology 13
13^<th> International Conference on Cancer Nursing : Conference Programme and Abstract Book
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