研究課題
基盤研究(C)
体育教師にとって、児童や生徒の動きから技術的欠点などを見抜き、適切なアドバイスをする活動は、固有の、そして最も重要な学習支援活動である。しかし、これまで「運動観察能力を向上させるための方法論」はほとんど研究されていない。本研究の目的は、運動観察訓練の方法論を考えていく上で必要な「運動観察能力の発達過程」についての位相的認識を確立することである。今回の研究から、運動観察能力の発達位相についてまとめると以下のようになる。1.運動のまとまりがわかる段階(どんな運動か分かる)2.動きの良否が判定できる段階3.技術欠点を発見できる段階4.キネステーゼを理解できる段階(志向分析能力の獲得)時間ゲシュタルトしての人間の運動は、固定した完了したものとして扱うことはできず、研究手段として自然科学的手法は相容れないことが確認され、現象学的考察の有用性が認識された。人間が行う観察活動の本質的特性を探っていけば、運動の外形的変化を視覚的に知覚しながら実施者の内的状態を解釈していく志向分析という活動に収斂されるという点を明らかにできたことも大きな成果であったといえる。今回の研究全体の総括として、「"できない"現象の志向分析的視点」と題する論文をまとめ、日本体育学会の研究誌である体育学研究に掲載が決定された。
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体育学研究 第50巻3号
Japan Journal of Physical and Education, Health and Sport Sciences Vol.50, No.5
体育学研究 第50巻3号(印刷中)
110002245760
伝承 第3号
ページ: 43-56
Journal of "Densho" No.3
スポーツ運動学研究 第15号
ページ: 25-36
Japan Journal of Sport Movement and Behavior No.15