研究概要 |
本研究の目的は、スノーボード(1本スキー)が斜面上を連続ターンするメカニズムを明らかにすることであった.そこで、以下のようなモデルを開発した. 1)プロトタイプモデルを開発した スノーボードおよびスノーボード(S.S系)の重心をターン内側へ移動することにより、斜面を連続してターンをするプロトタイプモデルを開発した。具体的には、スノーボーダーを直方体として仮定し、スノーボードの進行方向に対して左右にS.S系の重心移動を行うモデルの開発である。その際、スノーボードの有効サイドカーブについて検討し、最も適したサイドカットとスノーボードの横幅を求める。このプロトタイプモデルにより、最もシンプルなスノーボードのターンの基本原理を明らかにした。このプロトタイプモデルを完成させることは、以降の各種のスノーボードモデル開発の基礎となる。 2)足関節の底屈・背屈モデルを開発した 足関節の底屈・背屈により、スノーボードおよびスノーボード(S.S系)の重心をターン内側へ移動するモデルを開発した。そして、足関節を底屈・背屈することにより斜面を連続してターンできるモデルを開発した。具体的には、スノーボーダーの膝関節と股関節を固定して足関節を底屈と背屈を行うことにより、スノーボードの進行方向に対して左右にS.S系の重心移動を行うモデルの開発である。その際、スノーボードの有効サイドカーブについて検討し、最も適したサイドカットとスノーボードの横幅を求めた。これらをスキー研究(査読付)に掲載した。 3)膝関節の屈曲・伸展モデルを開発した 足関節と股関節を固定したスノーボーダーが、膝関節の屈曲と伸展の動作だけが許されるスノーボードモデルを開発した。すなわち、膝関節に相当する部位をサーボモータにより動作させ、屈曲と伸展を行い連続ターンが行えることを証明した。そして、スノーボードの操作における膝関節の重要性とスノーボードの動作要素としての意味を明らかにした。これらは、平成15年3月に開催された、日本スキー学会において研究発表を行った。 4)股関節の屈曲・伸展モデルを開発した スノーボードの連続ターンができる股関節の屈曲・伸展モデルを開発した.スノーボードには,ある程度の幅を持たせた.またスノーボードに有効サイドカーブが働くように,サイドカットのあるスノーボードを使用した.それぞれのモデルに装着した1個のサーボモータは目視により制御されるが,股関節の屈曲・伸展により,スノーボーダーをターンの内側に傾けるだけで連続ターンが可能になった.つまりフロントサイドターンでは,股関節を屈曲する動作が有効であった.またバックサイドターンでは,股関節を伸展する動作が有効であった.
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