研究概要 |
子どもの出産や成長の段階で入手される子ども専用生活財や子供室は、子どもの独立後には主たる目的を失う。家族縮小期の生活財と住空間のあり方に影響の大である子ども専用生活財や子供室は、子ども独立後にはどのように考えていったらよいのかについて1,集合住宅及び戸建て住宅居住者を対象としたアンケート調査、2,戸建て住宅居住者を対象とした聞き取り調査、3,住宅情報誌編集長、及び木材の製材及び加工業者などによる聞き取り調査を行った。 1.集合住宅及び戸建て住宅居住者に対するアンケート調査 集合住宅では、子ども独立後には、学習机と椅子は処分、オーディオやテレビは子ども自身の住まいに持参、節句人形は収納空間に収納、冷暖房機器、本棚やシングルベッドは他の家族が使用しており、元子供室にそのまま置かれている家具は少ない。子供用生活財は、子ども独立後には現住宅内で家族が活用したいと考えている。一方、子供室は、子ども独立後もそのままにされている。戸建て住宅では、子供用生活財は、元子供室にそのままの状態が多い。 2.戸建て住宅居住者への聞き取り調査 元子供室は、夫や妻の専用室、また下の子の居室に用いられることもあるが、そのままの状態である。子ども用生活財も使われないまま室内に置かれている。床面を占める家具ばかりでなく、衣類や学用品などについても課題が多い。 3.企業への聞き取り調査 住宅情報誌編集長からは、子ども独立独立後には、現在の住宅に住み続けるのではなく,住み替えの希望が都市部でみられる。 木材の製材及び加工業者からは、木廃材をパーティクルボードにし、これからユニットボックスやサイズオーダーデスクに製品化し、使用後は製造会社に返却でき、それを更に新たなパーティクルボードに蘇らせるリサイクル保証付きの家具が試みられ冠家具そのものとして使用できない場合にも再生の方法があることが明らかになった。
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