研究課題/領域番号 |
14580157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活
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研究機関 | 青葉学園短期大学 |
研究代表者 |
峯木 真知子 青葉学園短期大学, 食物栄養学科, 教授 (30129283)
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研究分担者 |
渡邊 康一 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80261494)
棚橋 伸子 青葉学園短期大学, 食物栄養学科, 助手 (80369412)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ダチョウ / 顕微鏡観察 / 筋線維型 / ミオシン / 骨格筋 / 卵黄球 / テクスチャー / 官能検査 / フィナンシェ / プリン / 組織観察 / 筋線維 / 成分分析 / 組織構造 / 筋肉 |
研究概要 |
ダチョウの後肢を解剖し、骨格筋の同定を行った。ダチョウ筋材料より筋横断試料を切り出し、クリオスタット切片にして酵素組織化学的方法を用い、筋線維型の分類を行った。ダチョウの筋線維はニワトリと違い、IIA型筋線維が酸処理後のミオシンATPase反応において弱〜中等度の反応性を示した。ダチョウの頭側腸骨脛骨筋と腸骨腓骨筋は、市販されている肉の用語で、「フィレローイン」「ファンフィレ」と食肉名を当てはめて販売されている。これらの肉を茄であるいは揚げて、テクスチャー、重量変化、pHおよび官能検査を調べた結果、適正加熱時間は全体に熱変性した茄で90秒、揚げ60秒加熱で、官能検査結果でも好まれた。ダチョウ肉の部位の違いは少なかった。また、加熱後重量は適正加熱時間で元の80%であり、市販国産豚モモ肉と大差なかった。ダチョウ肉の色は、豚モモ肉より明度が低く、赤み(a値)が強いが、調理したものの色は明度が低いが、a,b値はほとんど違わなかった。 ダチョウの卵の成分は卵黄・卵白共に鶏卵と同様の数値を示した。ダチョウ卵の卵殻は特に厚く、断面は約2mmで非常に厚い海綿状層を有し、全卵の20.0%も占めており(鶏卵は12.4%)、鮮度を示す卵黄係数は0.17(鶏卵は0.39)で低く、濃厚卵白率は60%で偏差が大きかった。ダチョウ卵の卵白の物性(付着性)は鶏卵より高かった。ダチョウ卵の卵白および卵黄のSDS電気泳動パターンは鶏卵と異なっていた。卵殻とその一番外側の構造は鶏卵のそれの5倍も扱った。卵角膜も密で非常に厚く、外部からの衝撃に対して非常に壊れにくい構造であった。卵白の繊維状構造を示す粒子は緻密で、染色性が濃く、熱凝固温度は高かった。卵黄では鶏卵同様の大きさの多面形の卵黄球が緊密充填されていた。ダチョウ卵の重量は鶏卵の20倍以上もあり、今後期待される食料資源となりえることがわかった。
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