研究概要 |
始めに教育用マシニングセンタ本体部分はミニフライス盤を購入して,これを既存のボール盤、旋盤やフライス盤等を使用して改造した。改造にあたっては被削材が木材やプラスチックはもちろん,金属でも十分に切削加工が行えるような高剛性を持たせる構造とした。また,その際に高出力に耐えうるように5相ステッピングモータを送り軸に採用して改造した。さらに,作業性や安全性の向上のために,X軸・Y軸テーブルの送りおよび工具送り用Z軸はパソコンによるステッピングモータ制御の自動送りとハンドルによる手動送りの両方で行えるように改造した。 構成部品は本体,5相ステッピングモータを除いて,全て既設のボール盤、旋盤やフライス盤等を使用して製作した。これによって,同様な設備を作製する場合に特殊な工作機械を使用せずに,どこの大学等の研究室や職業高校等でも製作することが可能である。 次に評価用のソフトウエアの開発を行った。改造した本体を動作させる制御ソフトウエアは低価格でどこまでも実機に近い機能を含むことができるもの,また教育的実践が行えるものを開発することを目的にしているので,実際のマシニングセンタが動作する加工データを生成しなければならない。そこで,今回開発した評価用の制御ソフトウエアから得られた加工データによって,既設のマシニングセンタで実際に加工したところ,生産用マシニングセンタを制御できる加工データを得ることが確認された。 今後はこの改造方法をより広く普及するように製作過程をマニュアル化していきたいと考えている。
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