研究課題/領域番号 |
14580207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 大学評価・学位授与機構 |
研究代表者 |
神谷 武志 大学評価・学位授与機, 構・学位審査研究部, 教授 (70010791)
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研究分担者 |
宮崎 和光 大学評価・学位授与機, 構・学位審査研究部, 助教授 (20282866)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 情報教育 / 情報産業 / 人材育成 / 国際比較 / e-learning / 光情報教育 / 機械情報教育 / 教育支援 |
研究概要 |
本研究は次世代の情報関連技術者の育成のために大学は何をなすべきか、またそのための有効な支援策は何か、という問題への解決のヒントとなる情報をモザイク的な手法によって集め、分析したものである。情報収集の手法として学協会との協力によるアンケート調査と公開シンポジウム(電子情報産業協会、光産業技術振興協会、応用物理学会日本光学会)、先進的な教育改革に取り組む国内大学への訪問調査、国際会議での発表と意見交換、諸外国政府教育省のウエブページを用いた教育改革施策の調査、公式報告書による我国の教育改革・教育評価の試行の調査(JABEE、大学評価・学位授与機構、文部科学省/大学基準協会による特色ある教育支援)などを用いた。 集められた資料はそれぞれに情報化時代の高等教育はいかにあるべきかについての鋭い問題意識に基づく意欲的な試みを表している。ただし、論点が国家レベルのマクロ政策的なものから教室の中での学生指導の手法を含む草の根的発想の改革まで非常に多様であるため、まとまりに欠けるという弱点がある。ここでは細部に立ち入ることを避け、得られた情報から汲み取った問題の所在と今後の方策への期待を箇条書きすることで総括とする。 (1)求められる情報関連技術者像は広く、素早く変化している。広義の情報専門家を育てることが重要。 (2)知識のみでなく、問題解決能力のある技術者を育てるためには基礎能力の涵養と現代的な問題意識とがバランスした教育が必要。 (3)みずから学ぶ意欲を持つ学習者を増やすには、教育方法の改善に取り組む教員を持続的に支援することが必要。 (4)ITの教育への適用はインフラストラクチャー整備中心の第1段階から、教育のコンテンツ、方法を充実させる第2段階へ移行。 (5)意欲的な教育者の試みを支援する組織、支援プログラムが国内外で提案、実施開始。 (6)新しい教育の試みが期待した成果を挙げているかの測定・評価も重要。 (7)我国では技術者教育認定制度(JABEE)、大学評価・学位授与機構による教育評価、文部科学省/大学基準協会による特色ある教育支援プログラムなど、教育改革の試みを水面上に引き出す工夫が増加中。 ただし、マクロの政策とミクロな教育現場の観察からは現状は十分とは言えない。今後の課題を箇条書きすると: 1)情報関連技術者の幅広い育成にはトップ級の情報専門家を育成することと、科学技術の全領域での情報化に即応する教育が必要とされるが、後者についてはコンピュータリテラシー教育を超えたレベルでの組織的な教育改革は十分に展開していない。 2)意欲的に教育改革に取り組む教員の数が十分でないか、水面上に見え難い。教育改革の試みの認知と評価を進める必要がある。 3)教育のコンテンツの開発には教員個人の努力のみでは限界がある。教材の共有化、開発を支援する組織や助成を強めるべきである。 4)教育上の試みの有効性を持続的に測定する必要がある。 5)意欲的な教育を行う機関、個人に対する認知・顕彰の仕組みを充実させるべきである。 6)人材育成は国家百年の計の重要な柱であり、関連各省庁の連携、産学連携、地域連携を生かした取組みを推進するべきである。
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