研究概要 |
コンピュータとインターネットの急激な社会への普及により,教育現場への計算機利用の需要は大きくなりつつある。情報教育あるいは計算機を利用した教育においては,マルチメディアや分散協調による教授・学習システムとともに,計算機システムの管理技術や,利用者間あるいは利用者と管理者間のコミュニケーション技術が重要となる。教室への計算機の普及は,教育現場において多数のパーソナルコンピュータ(以下「PC」)と計算機シネットワークステムの管理業務が発生する。常時授業を行えるだけのPCやネットワークを正常に稼動させるには,綿密な保守作業と障害対処が必要である。しかしながら,保守・障害対処は現状では専門的な技能と多大な手間を要する。計算機を配置した教室はそれを管理する施設に集中するのではなく,利用者の利便性を考慮して分散配置されることが多いため,計算機の利用状況や稼動状況を把握するのは容易ではない。 そこで本研究では,ネットワークを介して計算機の利用状況や稼動状況に関する情報を採取し,そのログ情報を自動的に分析し,計算機の利用状況や稼動状況を視覚化した情報を管理者に提供するとともに,異常事態を自動検出し管理者に通知するシステムを構築した。具体的には,PCからホスト計算機に対して稼動状況の情報を通知するクライアント・サーバモデルに基づくシステムを構築した。また,取得した動作状況のログを統計的手法によって分析し、同一教室内に設置されたPCの中で利用の状況に特異性のあるものを障害のおそれのあるものとして管理者に通報する機能を実装した。さらに,管理者がPCの状況を把握するのを支援するものとして,利用者から管理者への簡易的な障害報告機構を実装した。 また,教育用計算機,特にWBTシステムの利用者支援のためのシステムとプログラムを構築した。
|