研究課題/領域番号 |
14580264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
溜池 善裕 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (60260452)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 社会科教育 / 中学校 / 歴史的分野 / 学び方を学ぶ / 地域学習 / 歴史教育 / 中世 / 近代 / 田中正造 / 佐呂間 |
研究概要 |
中学校歴史的分野において現行の教育課程において新たに導入された「学び方を学ぶ」学習において、歴史的分野の前期および後期において、どのような学習モデルが有効かについて臨床的な研究を行い次のような結論を得た。(ここでいう前期とは、原始から中世までをいい、後期とは近世以降をいう。) (1)前期段階においては、生徒の生活する市町村において、実際に確かめることのできる歴史的な事象を扱うことが歴史認識の形成においては重要となる。それは、生徒が現在生活している時間との連続性において、過去の歴史も存在するのだということを知ることによって、歴史認識の形成のための時間の「ものさし」を形成するという意味合いからである。 (2)後期段階においては、既に時間のものさしが形成されている生徒が、そのものさしを使うことで、客観的な歴史というものは存在せず、歴史はある視点において形をあらわにするということに気づく必要がある。そのためには、前期段階と同様な地域学習ではなく、県単位の地域において、既習の通史をも相対化するようなダイナミックな歴史的事象を取り扱うことが重要となる。 なお、このような知見を得るためには、複数の観察者による授業観察を実施し、同時に、授業におけるワークシート等のデータを収集して、分析を行った。地域学習は、一斉授業ではなく、グループ学習で行われることが多いため、授業分析の手だてとしては、複数による授業観察者が必要なためである。この分析を通して、授業中での発言や、ワークシートによって、生徒がどのように思考し、歴史認識を形成していくかについてある程度正確に知ることができることが明らかになり、複数の観察者による授業観察の重要性が再確認された。このことは今日行われている絶対評価の在り方をよりよくするための具体的方法として、以上の分析が有効であることを示唆するものである。
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