配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
本研究は,子どもの社会認識形成に関する実験授業を通して,社会認識形成過程の仕組みやその条件,認識発達を促進する教育的働きかけについて検討することを目的とする。 子どもの社会認識発達の特徴として,1)子どもの社会認識の発達は,量的増加と共にいくつかの質的に異なった発達段階に区切られること,2)子どもの社会認識構造(社会のわかり方)は並列型(Independent cognition),関連型(referential cognition),組み込み型(Incorporated cognition),変革型(reformative cognition),総合型(comprehensive cognition)の5つに類型化されること,3)子どもの知識成長の過程として,社会的事物・事象に関する知識を量的に増加させる段階から知識相互のネットワーク化を図る段階,あるまとまりとして知識を統合する段階へと移行し,さらにこれらの段階が螺旋的に繰り返されること,4)小学校4,5年生頃を移行期として,それまで個別的・断片的に捉えられていた見方が,より本質的な視点を核としてまとめられながら発達すること,5)視点取得経験によって子どもの社会認識は促進されること,が予想される。 そこで,経済的事象に関する子どもの社会認識が,視点取得経験による立地概念の獲得によって促進されるかどうかを明らかにするための実験授業を実施した。小学校3年,4年,5年生を対象として授業を行ったところ,4年と5年で学習効果が見出された。小学校4,5年生頃は,特徴的な視点を中核としながら、あるまとまりとして情報を統合する授業展開が適した時期であるとともに,視点取得経験が効果的な学習活動であることが明らかになった。
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