研究概要 |
本研究は,外的変量のない多変量解析手法(主成分分析,因子分析,コレスポンデンス分析など)における変数選択の規準を導出するとともに,各規準の評価とさまざま選択手法を試行錯誤的に利用できる変数選択ソフトウェアの開発を行うことである。 (1)文献等の調査から,すでに提唱されている変数選択手順の整備を行い,発表論文の導入部に先行研究としてまとめるとともに,(4)にあげるWebページに整理した。 (2)量的変数を対象とする主成分分析と因子分析に対して,新しい変数選択規準の検討を行った。主成分分析では,すでに選択規準として利用している拡張主成分の性能を評価するとともに,計算機集約的な手法で,変数の数を特定するための情報提供の方法を検討した。また,主成分得点を一部の変数を用いて最小二乗の意味で近似するという視点から,変数選択規準を構築し,AICにより評価した。因子分析では,RV係数規準を利用し,因子得点の布置の近さを変数選択規準として用いる方法を検討した。質的変数を対象とするコレスポンデンス分析に対しては,RV係数を利用して個体スコアの布置の近さに注目する選択規準や,通常用いられているコレスポンデンス分析の適合度規準を選択規準として利用する選択手法を提唱した。 (3)上記の各規準を実データに適用し,それぞれの選択規準が利用可能であることや変数減増法などの選択手順が総あたり法と比較して大きな違いがないことを確認した。 (4)変数選択に関する情報提供とオンラインで変数選択ができるようにVASMM(VAriable Selection in Multivariate Methods)をWeb上に構築した(http://mo161.soci.ous.acjp/vasmm/)。また,統計パッケージRとXploRe用のマクロを開発した。これらにより,変数選択をいつでも行える環境の整備ができた。
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