研究概要 |
1.供給点配置問題 供給点配置問題は、インターネットにおけるミラーサーバ配置問題に応用できる基本的問題である。本研究では、入力が有向グラフG=(V, E)で、両方向の流れに対応する制約条件λ(S, x)≧kとλ(x, S)≧hがあるような供給点配置問題に対し、kとhが定数である場合に多項式時間で動作するアルゴリズムを得た。 2.設備故障に強いインターネットルーチング方式 インターネットにおいて、設備故障などがおきた場合にネットワーク情報の変化を全網に通知して通信経路を変更するが、情報伝達の遅延の影響で、パケットがループに陥ってしまうという「ルーチングループ問題」がおきることが知られている。これを回避するために、ネットワークリソースの変化情報を段階的に流す手法を提案し、最適アルゴリズムを得た。また、リンク故障時の迂回方式として、各ノード毎に迂回テーブルを一つ用意するだけで、かつパケットのヘッダに1ビット加えるだけで実行できる方法を提案した。 3.ファイル転送木問題 与えられたグラフG=(V, E)の各節点x∈Vに対して出次数の上限値d(x)が与えられ、その制約の下での最短路木を求める問題に対し多項式時間アルゴリズムを得た。本問題は、通信ネットワークにおいてファイルを転送する際の適切な経路を計算する問題などに応用を持つ。さらに、出次数制限や最短路性などの制約を緩和した種々の問題について、多項式時間アルゴリズムを与えるか、さもなけれな計算困難であることを証明した。 4.ハイパーグラフの凸多角形上への描画 ハイパーグラフを平面上に描画した時の、各ハイパーエッジの作る面積の和と、凸3カットとの間に成立する、同値な関係を明らかにした。
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