研究概要 |
医用画像処理において重要な次の処理を,分散メモリ型並列計算実行環境(PCクラスタ:64台(1台に2つのPentium3(1GHz),2GB主記憶掲載)のPCを高速ネットワークMyrinet-2000で接続したもの)で高速に計算する並列プログラムを開発した. (1)3次元剛体画像位置合せ/3次元非剛体画像位置合せ:3次元画像の位置合せは,同一部分に関する撮影時刻などが異なる2つの3次元画像における,同一箇所の対応関係を求めるものであり,医用画像処理において重要な要素技術である.内臓を対象とする場合は,画像が変形しているという想定の元での位置合わせ(非剛体位置合わせ)と呼び,1024×1024×590画素からなる肝臓部分に対して,データ分散も行い実行時間を18時間から10分強まで短縮した.一方,骨を対象とする場合は,画像が変形しないという想定の元の位置合せ(剛体位置合せ)と呼び,10分から20秒弱に短縮した. (2)ボリュームレンダリング:この処理は,3次元医用画像を任意に視点から描画するための可視化技術である.1024×1024×896画素規模の3次元画像は,一般的な1台のPCの主記憶に格納することが難しい.このような場合は,データを複数PCで分割保持し,並列処理する必要がある.データ分散,並列処理,負荷分散の技術により,毎秒1回の描画を実現できた. これらの処理時間は,医療の段階にもよるが,ある程度の実時間処理を実現したと言える.
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