研究概要 |
技術設計のデータベースにおいては,各設計間での参照関係が存在する.また,ある設計を一部修正して別のバージョンの設計とすることがしばしばである.設計データベースにおいては,図面が重要な役割をはたす.図面データを効率的に管理することが設計データベース管理システムでは要求されるが,各バージョンに対応した図面間では,一部しか変化していないにもかかわらず,全データをデータベースに格納されることが多く,データ量の増大をもたらす.そこで,本研究では,図面間の差分を効率的に管理し,変化しない部分を共有化する方式を提案した.すなわち,複数バージョンの図面データから重複部分を除くことで,効率的なバージョン管理構造を発案した.シミュレーション実験によれば,従来のもっとも単純な方式に比べ,必要なメモリー量を1/3に削減することが可能となった.しかも,データ検索効率は,従来法とほとんど同等の性能であった. また,HTML文書などの半構造化データを木構造で表現し,頻出する構造を検出することで,木構造を圧縮する手法を提案した. さらに,図面などの幾何構造データの接続関係,トポロジーを保存した可逆圧縮方式を提案し,グラフ文法で表現することが可能であることを示した.プラントソフトウェアの構造表現に,この方式を応用し,グラフ表現とソフトウェア構造を対応させることで,監視制御システムソフトウェアの半自動合成法を提案した.
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