研究概要 |
近年,世界的に様々な分野においてデジタルデータの圧縮技術や伝送技術の進歩により,情報のデジタル化が進んでいる.放送業界においてもデジタル化が進展しており,放送の主流はアナログ放送からデジタル放送へと移行しつつある.一方,大学内の情報環境においては数百Mbpsの高速LAN環境やPCの普及などデジタル情報を取得するための通信基盤が整っている.実際に,大学ホームページでの学内行事などさまざまな情報を取得できるだけでなく,Web上での履修申告というのが主流になっている.しかし,大学内放送ではアナログの音声放送のみであり,しかも授業の妨げになるという理由からあまり頻繁に利用されていないのが現状である. そこで,本研究では次世代のデジタル校内放送を想定した情報配信プラットフォームを提案する.この次世代の校内放送では音声放送のみならず,現在の掲示板に貼られている情報,学事課や図書館からの配布情報などさまざまなコンテンツを対象とすることを想定する.また,コンテンツの形式においても静止画のみならず,動画の作成技術の進歩に伴い動画形式のコンテンツも増加することが予測されるため動画も対象とする. このような想定環境において,以下のような特徴を持つ提案を行った. (1)通信の信頼性を確保できるユニキャストの利点、そしてデータ受信者数が増加してもデータ配信のコストがそれほど変化しないため,クライアント数が非常に多い場合に通信品質を落とすことなく情報配信ができるブロードキャストの利点の双方を生かした通信方式,(2)ユーザ全員が放送することができる自由な放送を可能にすること,(3)放送場所,放送対象,放送チャンネル,放送重要度,有効期間という属性を付加することによる柔軟な放送,(4)静止画の再生時間,繰り返し放送間隔を設定し,コンテンツの属性である放送重要度と有効期間から決定される放送スケジュール.
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