研究課題/領域番号 |
14580471
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 眞理子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90323550)
|
研究分担者 |
鷲崎 早雄 静岡産業大学, 経営学部, 教授 (10350919)
板倉 宏昭 香川大学, 大学院・地域マネジメント研究科, 教授 (80335835)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 産業連関表 / アウトソーシング / 情報通信技術 / オンライン金融取引 |
研究概要 |
本研究は、情報通信技術の高度化が金融部門の業務展開や産業構造あるいは市場構造にどのような影響を与えているかについて、他部門との比較を行いつつ、時系列比較によって実証的に明らかにすることを目的としている。 はじめに、金融サービス業の情報処理業務を費用構造の面から捉えるため、公表されている産業連関表をベースとして独自に定義したIT関連要素の概念に従い、1985年から2000年までの投入構造をデータベース化した。この分析を基礎に、アウトソースを含む産業間の相互作用の流れを把握し、金融業における情報処理体制の変化とIT関連投入、周辺産業展開との関係を研究した。分析の主要な結果は、(1)金融業におけるIT投入は1980年代から一貫して高水準にあるが、1990年代後半から拡大のテンポが緩やかになっている、(2)アウトソーシングについても同様の傾向が見られる、(3)情報産業を含む他産業との関係において、投入構造という点から見た場合、それらとの相互関係を強める方向に変化しているということである。 さらに、ITの進展による新規展開の金融分野における事例としてネット専業証券をとりあげた。当該分野においては価格を中心とした活発な競争が展開されているが、その市場構造に影響を与える事業者側の戦略を理解するため、ITという技術特性を念頭におきつつ、「先行者利益」と「差別化戦略」を中心とする経営戦略の有効性について検証した。得られるデータの範囲では差別化戦略の意義が認められるように見受けられるが、その評価には一層のデータの蓄積が必要である。前半の投入構造の視点も含め、日米比較がつぎの課題である。
|