研究概要 |
技術経営論の確立が望まれている中で、近年重要性が認識されているが研究実績の少ない「学際研究」に対して、その効果的な研究開発マネジメントの提案を目的に研究を進め,次の成果を得た. 少人数のグループに対しては、組織知能システムのパイロットシステムを開発した。これは、異なる分野からなる研究者の議論の過程を、従来研究に多い「知識」だけでなく、新たに「観点」からも分析し、コンピュータに蓄積して、異分野の考え方を理解させ、学際研究を促進させようとするものである。 事業所レベルでは,研究開発において重要な役割を果たす設計(計画)と製造(実施)の効果的な連携の方法を提案した。これは,複合的な連携の過程を,「連携の連鎖」の3パターンに分類し,パターンごとに連携契機の発生方法,連携連鎖の接続方法など,連携を効果的に発生・強化させるための実務的に活用できる方法である.これを適用することで,研究と開発両部門の持つ学際的知識を効果的に運用することが期待できる。 企業レベルの研究の第1として,長期的でかつ公共的な大型の研究プロジェクトを,種々の分野や種々の組織体(例えば,大学,企業,公的機関)の学際的な研究者で実施する場合に効果的な仕組みである「研究開発型NPO」を提案した.第2は,研究開発型ベンチャーが企業提携をする際の成功要因の実証的研究を行い,これをもとに,マネジメント法を提案した.分担提携の場合は情報伝達手段の整備,開発提携型の場合は対等性の保持,包括提携の場合は個人間信頼の構築などである.
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